今年も残りわずか、当教室では冬期講習の真っ最中みんな真剣に取り組んでいます。
私は受験指導を始めて20年ほど経ちましたが、受験指導が大好きです。
仕事と言うよりは趣味に近いと思います。
私は勉強は大嫌いで出来ればやりたくないと思っていますが、受験勉強は別です。
何故ならそこには頑張るための明確な理由があるからです。
学生が日常生活で勉強頑張ろう!と思う機会は本当に少ないような気がします。
自分が夢や目標を持つ子が頑張るというのは想像出来ますが、多くの生徒さんは夢を持てず目標を決めきれないまま受験に突入します。
そんな生徒さんが大半だと私は思っています。
しかし、周りが受験モードに入り、ご両親にもちくちく言われ出すと「やらないと・・・」と生徒さん達も受験に気持ちが入ります。
私が一番受験が大好きな理由は「本性」が見えるからです。
皆さんに断言します、受験を乗り越えないと子供の本性は分りません!これは間違い無いと思います。
子供達も当然ですがプライドも見栄もありますし、人に出来ている自分を見せたいと願っています。
日常生活の中では、余裕を見せ、適当にごまかせるところは誤魔化していますし、保護者側も薄々分っていても現実を直視する事もありません。
しかし受験はそうはいきません!実態や本性が表面化しショックを受ける保護者の方も少なくありませんが、残念ながら現実なのです。
そして生徒さん自身も「やれば出来る」というガラスの自信を持っている子がほとんどですが、見事に受験でガラスの自信は砕かれ自信を喪失します・・・
そこから「いや、出来るはずだ!」と立ち向かった子が私は本物だと思っていますし、社会で活躍するために一番必要な経験だと思っています。
世の中の仕組みがそうなっているのです!
出来るとか大丈夫と言った「保証」のついたものは面白くともなんともない事が多いのです。
受験に関して無理しないと言う事は「妥協」のクセを付けることであり、保証のある選択をして生きていくと言う事なのです。
私はビジネスの世界で思い知りましたが、会社へ勤めれば絶対「給料」がもらえます!会社がつぶれない限りは絶対もらえるのです。
しかし、多くは望めませんし面白みも私はありませんでした・・・その後自営業を始めた私は上手く行かず「不安」でいっぱいでしたが知人にアドバイスを受け目が覚めました。
私は自営業になった時、サラリーマンよりも目標に対して意識がなく、サラリーマンよりも労働時間が短く、サラリーマンよりもいい加減に仕事に取り組んでいました。
サラリーマンは保証があるから思うほど給料がもらえないのは事実だけど、サラリーマンよりもいい加減な仕事をしていると自営業は廃業だ!と気付きました。
それから結構簡単に仕事は軌道に乗り、良い思いもさせてもらえました。
自営業には保証がありません、お金も最初は出ていくだけで入ってくる見込みもありません。
その中で出来ると信じて努力を重ねることが出来れば、当然ですがサラリーマンよりも仕事は楽で報酬も高くやりがいがありました。
保証のある所でする事を「我慢」と言い、保証のないところでする事を「努力」だと私は思っています。
我慢は人から与えられ、努力は自分で選んで行うものなのです。
そして我慢に終りはなく、努力はいつか大きな成果となって実る事を皆さんに知って欲しいのです。
高校受験は「我慢」をして取り組む子が多いと思います、それは受けないといけないと思っているから「辛い」のです。
だから「楽」な選択をしてみたり、保証を気にして志望校を落としたりするのです。
そうじゃ無い!どうせやるんだから自分が受かって「よし!」と心から言える学校を目指し自ら「努力」するチャンスなのです!
勉強が辛いだけ、我慢が必要、しんどいというのは「大人」が持つ勝手なイメージで、自分が決めて努力すれば楽しむ事も出来るのです。
そのためには絶対「目標」が必要で、「妥協」と「あきらめ」の行く先は「我慢」「忍耐」「妥協の日々」なのです。
受験勉強が辛いとか、高いレベルの勉強について行くのはしんどいとか「大人」の勝手なイメージで、やらされていることが問題であり、自ら進んでやれば身になり力になる素晴らしい経験なのです。
私自身大学受験で大きく人生が変わりました、大学受験で合格した瞬間に人生が変わると実感もしましたし、人生の運を使い果たしたとも思いました。
しかしその後の人生は「楽しみ」と「期待」に満ちあふれ、後悔などほとんどありません!
後悔があるとすれば中学受験・高校受験で同じ経験が出来ていれば、もっと人生は楽しかったかも知れないと思うくらいです。
しかし、中学受験の失敗がなければ私も大学受験で合格する事は出来なかったし、今受験生と共に戦う事も出来なかったと思うのでそういう意味では後悔はありません。
当教室でも残念ながら「妥協」の選択をする生徒さんは居ます、その子達が願わくば挑戦し人生を切り開く「きっかけ」を勉強以外で得て欲しいと願うばかりです。
挑戦すれば成功しても失敗しても得るものは大きく間違い無く「成長」するのです!
しかし、諦めや妥協の選択は上手く行って当たり前、失敗すれば立ち直れないほどのショックを受けます。
何故なら失敗を恐れて妥協したのに、さらに失敗を重ねてしまうからです。
しかも上手く行って当たり前に行動ですが、やはり受験勉強はしないといけないのです・・・終わって「脱力感」しかないのです。
つまりローリスク・ノーリターンの選択なのです、挑戦は一見ハイリスク・ハイリターンに見えますが実はノーリスク・ハイリターンなのです。
挑戦した受験で成功すれば「一生もの」の自信が手に入りますし、失敗しても「経験」と自己分析という財産が残り、次の挑戦に協力な武器となり成功確率を飛躍的に上げてくれます。
そして皆さんに絶対忘れて欲しくない事が1つあります、日本人が嫌でも挑戦する舞台に立たされる「受験」は3回しかチャンスがないのです。
中学受験・高校受験・大学受験の3回です、このチャンスを妥協の選択で棒にするなどもったい無いと私は思っています。
しかし、生徒さんにだけ頑張れとは言いません!当教室の講師が一丸となり共に戦います。
だから安心して挑戦して欲しい。
今年も挑戦する生徒さんが奇跡の逆転合格を決めてくれます!今から楽しみだ!
私が当教室の講師に常々言っているのが「塾講師の仕事は管理である」という事です。
多くの塾講師は分らない問題を解説すると勘違いしているので、いつまでたっても生徒は出来るようになりません。
問題を解説しているつもりで実は本人が問題を解いているだけで、生徒さんにはさっぱりなのですが生徒さんも分らない事が分らないので答えを聞いて「あー」と言って分ったふりをしています。
だからそういう塾は必ずと言って良いほど「先生が面白い」「先生が優しい」「塾が楽しい」と言っていますが成績が変わらないと言う共通の現象があります。
教えても生徒さんは分っていないのですから、生徒さんが「続けたい」という言葉頼みで、成績が上がっているかどうかで判断されないように「サービス精神たっぷり」の対応をしてくれます。
生徒さんに問題を解説する事は誰でも出来ますし、それこそ中学生の問題レベルであれば、大学生なら誰でも解けます。
しかし、それでは生徒さんの学力は伸びないのです。
では「管理」とは何を管理するのか?
正しい手順を踏んでいるか?という管理なのです。
一番の基本は問題を読んでいるか?これをチェックしていない塾が大半で、なんでわかんないんだろう???と本気で悩んでいます。
問題を読まない子は自分が問題を読んでいないと言う「自覚」がないので、問題読んだ?と質問しても自信満々に「読みました」と回答してきます。
だからまず問題を読んだかどうかの確認をして、自分は問題をちゃんと読んでいないと言う自覚を持たせる事から始めるのです。
恐ろしい事に体験授業に来る生徒さんの8割程度の生徒さんが問題を読んでいません・・・これはご家庭で手取足取り教えているか、チャレンジをしていたかが原因と考えられます。
特に幼少期からプリント学習を繰り返した子にも多く見られる現象です。
恐ろしい事に普通の塾講師はこれに気付けないのです、何故なら自分は当たり前に読んでいるのでまさか「読んでいない」という事に頭が行かないのです。
ここで塾講師と会う合わないの話をしておくと、偏差値の近い先生が一番相性が良いと考えて良いと思います、アルバイトの先生なら。
自分で言いにくいですが、私と奥さんくらいの年数やっているとかなり高い学力から低い学力まで合わす事が可能ですが、アルバイトの大学生には無理だと思います。
よほど良い教えられ方をしていないと、高偏差値の先生が出来ない子の原因を発見したり、修正したりするのは無理だと思います。
まずは問題をちゃんと読んでいるか?を管理するのです。
正直言いますが、これだけで随分成績は良くなります。
次に必要な手順を踏んでいるか?です。
例えば算数の速さの問題は図に書く事が絶対条件です、英語では主語述語に印を付ける、国語では接続詞に印を入れるなど、誰にでも出来る工夫をした上で考える事を癖付ける事を管理するのです。
多くの生徒さんが頭の中で一気に処理しようとしますが、記憶力には限界と個人差があり、メモを上手く使える事が高い学力と思考力の基本となっています。
頭の良い人間は簡単に言うと短期記憶が得意で多くの情報を一気に処理出来ますが、普通の生徒さんは出来ません。
しかしメモを上手く使う事で相当複雑な問題も処理することが可能です、実は家庭での勉強指導でこれをちゃんと指導されている子を私は見たことがありません!
実はメモの使い方で学力は激変すると断言しておきます。
このメモをちゃんと使って考える管理をしてあげると、成績は劇的に変わります!その管理もまた経験とノウハウが無いと出来ません。
そして宿題の管理です。
宿題は簡単に言うと3種類に分かれます、やっていない、適当にやった、ちゃんとやったの3種類です。
これを見抜けない講師もほんとに多く、生徒さんは「こいついけるな・・・」と思われれば、とことん手を抜いて楽をします。
私は常々言っていますが、小中学生に勉強の意味を理解しろと言っても難しいと思います、高校生ですら勉強する意味は分っても誘惑に勝てません・・・
多くの高校生が塾でちゃんと勉強していないと言う現実も保護者の方は直視するべきなのです。
ある程度システムと環境で管理してあげないと、本当に行きたい学校や進みたい道が決まったときに「手遅れ」になってしまうのです。
行きたい大学やはいりたい学部が見つかっても、もう間に合わないと言われる生徒さんがほとんどなのです。
多くの大人が社会に出たり、大学生で就活をしている時に「弁護士」「医者」「税理士」「エリートサラリーマン」って良いな・・・と思ってももう遅いのです。
しかしある程度勉強の仕方を管理されて過ごせば、簡単に言うと「一発逆転」の勉強法が使えるのです!
ちゃんと問題を読み、正しい手順で思考し、課題を真面目に行う事ができれば、必ず成績は伸びてくるのです、必ずです!断言します。
しかし、多くの生徒さんが前倒し教育と無駄な一生懸命で、雑な勉強法を癖付け、問題を読まず、正しい手順も踏めず、複雑な問題にただただ悶絶するだけで、勉強時間の多くを無駄に過ごします。
ただ勉強時間が長いだけで実りのない努力を一生懸命行い、受験は苦しい、難しいと勝手なイメージを持ちお子さんにもその苦行と修行の勉強イメージを植え付けます。
私は今、勉強の問題解説はSNSだけで十分だと思いますが、SNSで解説する多くの講師は、問題を当たり前に読み、複雑なヒントをメモを使い整理し、真面目に取り組む事を前提に話しヲしているので自分が出来ていないと言う自覚がなければ成績が上がっていくる事もありません。
映像配信の授業はある程度基礎力の高い生徒さんが利用するれば効果はありますが、問題を読む・メモを使い整理する・課題を真面目にやる、この3つが出来ていなければ正直見ても無駄だと思います。
ですから、まず小中学校の間に問題をちゃんと読む・メモを使いこなす・課題はちゃんとやる、このクセを付けておくことがやっておくべき事なのに、恐らく多くの塾がただただ問題を解説して「分った?」と言っているだけなのです。
私が近年苦しんでいるのは、小学校の算数が理解出来ていない子が余りに多いという事実に驚いています。
前々からその傾向はありましたが、近年もっと如実に表れ、中学からいくら頑張っても成績が伸びきらない生徒さんがとても多く居ます。
特に考え方は数学では出来ず、算数決まります。
算数で正しいクセを付け置かないと、数学で伸びる事はなかなk難しいと思います、もっと正確に言えば「楽に出来る」という状態を作りたければ算数は「プロ」に指導してもらう事が正解になっていると言う事です。
そして新小学生の説明会でもハッキリと個別名をあげて言いましたが、皆さんが勝手にプロと勘違いしている「アルバイト感覚のど素人」がやっている教室が大半なのです。
本当に恐ろしい時代になったと思います。
そして塾講師どころか社会全体が出来ていない事が「原因と現象」を分けて考えると言う事です。
多くの塾講師が計算間違いを「落ち着いて計算して~」とか「もっとゆっくりやったら?」とか「分らなければ筆算すれば」と大嘘を教えて居ます。
可哀想なのは今の子供達は真面目なので、その嘘を真に受けて間違ったやり方を身体に染みこませていきます・・・恐いことです。
私が良く言うのは「原因」と「現象」を分けて考えないと、同じ間違いを繰り返すだけなのです。
例えば鼻水が出る、これは現象です、原因は何でしょうか?風邪なら風邪薬を飲みますし、花粉症ならマスクをして目薬をさします、鼻炎なら耳鼻科に行って薬をもらわないとダメです。
同じ現象でも「原因」によって、対処法は全く違うのです。
これを勉強に当てはめると、「計算間違い」という1つの現象を、落ち着いて計算すると一律の処方箋を出す講師がほとんどですが、原因を全く考えていません。
まず、計算間違いの原因が「早すぎる」「次の問題に目が行っている」とかなら落ち着く、速度を落とすが解説法になるかも知れません。
しかしそんな子はごく少数派で、一番多い計算間違いの原因は「時間不足」なのです。
これを生徒さんに何でこんな計算間違いしたの?と聞くと「慌てて・・・」と言いいます、すると馬鹿な塾講師は「落ち着いてやれば良いから~」と優しく諭しますが、その間違いは一生直りません。
何故なら慌てた原因は時間が足りないと感じ「あせっているから」なのです。
つまり原因から解決するなら、「もっと早く解く」が解決策なのです。
つまり多くの塾講師が言う「解決法」の真逆なのです。
多くの生徒さんが自分の解く速度に自身が無く、時間が足りないと感じ慌てていると言う事実に気付いていないのです。
特に算数・数学で筆算や落ち着いて考えると言う大嘘指導が板に付き伸びない生徒さんを散々見てきました。
こんな嘘を何故教えるのか?と思いましたが、実際多くの塾講師と話しをして「気付いていないのか・・・」と分ったときは驚きました。
生徒さんに勉強を教える事は誰にでも出来ます、しかし出来る様になる「管理」が我々プロにしか出来ないのですが、それがなかなか分ってもらえず悩んでいます。
クセを上手く利用するのです、悪いクセは厄介ですが良いクセは武器になるのです。
私は中学受験の経験からメモを使う事を当たり前にしていますが、一般世間では当たり前ではないと気付いた時は驚きました。
気付いたのは大学卒業後入社した金融の会社でした。
会議中にメモを取り、問題を浮き彫りにして整理する事で簡単に解決策を出しましたが、当時の上司が驚いていたことに驚いたのを覚えています。
私は単に現状の問題点と今会社が掲げる理想をメモに整理して、必要な時間を設定し、現在地・目的地・必要時間の合うアイデアを出しただけなのです。
本当に大した事は言っていないのですが、当時の上司は大変驚いてくれました。
私はこの経験から実社会で使える学力を生徒さんにも教えて居るつもりです。
今は勉強第一の偏差値教育が主流ですが、私は実社会でも使える「学習能力と思考力」を子供達に持って欲しいのです。
そのためにはまずは管理して、良いクセを付けることから始めないといけません。
先日、お茶の水大学の名誉教授「内田伸子先生」の論文の内容について面白いことを聞きました。
元々教育について色々と研究されている方で「親の学力と子供の学力には明らかな相関関係がある」ともおっしゃっている先生で、自身の研究や意見だけで無く実際アンケートや追跡調査で数字を出している先生なので参考にしていただいて良いと思います。
今回論文の中に書かれていた中で注目すべきは「子供の学力に一番影響するのは経済力ではなく、子供への関わり方だ」と言う事です。
簡単に書くと子供への関わり方は3種類あり、共有型と強制型と自己犠牲型だそうです。
共有型は子供と楽しみや感動を共有し、伸び伸びと育てる育児法で、親が共に成長するというイメージだそうです。
強制型は自分の思い通りに育てようと色んな事を強制する育児法で、低所得層に多い育児法だと書かれていました。
もう一つは自己犠牲型で、これは子供が居る事が原因で色んな事が自分は出来ないと考えているお母さんの育児法で、疲れ切っていて「ネグレクト」に近い状態になると書かれていました。
もちろん、お子さんが一番賢くなるのは「共有型」の育児法です。
この育児法で育てられた子は「語彙力・読み書き」に未就園児の段階で大きな差が出来て、学力の高い賢いに育つ事が分っているそうです。
私が興味深いと感じたのは、問題は親の経済力ではなく親の関わり方が「共有型」の関わり方を経済的に余裕のある家が多くしていると言うだけのようなのです。
さらに面白いと感じたのは、経済的に余裕のある家が「強制型」の育児をすると、低所得層のご家庭よりお子さんの学力は著しく低くなる傾向になると言うデーターでした。
さらにその論文を書いた内田伸子名誉教授は著書の中で、保育園や幼稚園のデーターも紹介していて、これも興味深いデーターを紹介していました。
保育園や幼稚園で先取り教育をして「勉強」を取り入れている幼稚園や保育園ほど追跡調査で後の学力は低くなっていると分ったそうです。
なんと体操教室も同じで、体操教室に通っていた子ほど、運動嫌い・運動音痴になる確率が高く、情緒も不安定な傾向にあると書いていました。
しかし、それは体操や勉強という行為そのものではなく、興味を持つ前から強制的にやらせることで「苦手意識」を持つと言う事が一番の問題であり、これも強制型の指導が悪いというデーターの1つでした。
我々も保育園に英語と能力開発に行かせていただいておりますが、出来るだけ強制しないと言う事を意識しておりますので安心しました。
その著書の中で、内田名誉教授は「伸び伸びと自由にさせる事が一番子供を成長させる」と結論づけておりました。
我々が開業当初から訴え続けている事ですが、私はこれに加え「バランス」も無視出来ないと考えています。
もちろん強制的に取り組ませることには反対ですが「学校へ行く」「宿題をする」「勉強をする」という最低限の事はやりたくなかろうが、嫌であろうがやらないとダメなんだと幼少期に教えておくべきだと思っております。
今回の内田教授のデーターの調査対象は主に「中学受験を検討しているような教育熱心なご家庭」であり、全てのご家庭に当てはまるものではないと思います。
しかし、当教室の教育方針はあくまでも、一般家庭であり「公立中学・公立高校」から無理のない状態で「大学進学」を想定しているご家庭が対象だと思っています。
ですから、極端に経済力のあるご家庭には当教室の教育も合わない可能性があります。
今回面白いと感じたのは、内田教授がデーターとしてアンケートを取り、追跡調査したご家庭は主に経済力に相当余裕のあるご家庭を想定しているという事です。
そこにおいても当教室の教育方針とはおよそ違いが無かったと言う事が非常に興味深いデーターでした。
私は教育において一番重要なのは「バランス」だと考えていますし、極端に自由する過ぎるご家庭を散々見てきましたが「ろくでもない結果」を目の当たりにしてきました。
逆も同じで、幼少期からガチガチのプリント教育を続けて来て「どうにもならない子供」も散々見てきました。
私は結局は親の考えなんだな・・・と痛感した事が何回もあります。
その代表が、早くから進学塾へ中学受験のために通い、子供が授業について行けず学力が下がり続け、このままではダメだとなんとかして欲しいと当教室へ来られた生徒さんは過去相当数居ます。
しかしその多くが「基礎」を理解してしない事が問題で、問題の読み方・図の書き方・公式の理屈を一緒に考えると徐々に出来る様になってきます。
そうするとすぐに元の進学塾へ戻っていき、結果は惨敗となるケースを嫌ほど見てきました。
野球の話で良く例えるのですが、野球は中学になると硬式のクラブチームでプレイする選手と学校の部活でプレイする選手に分かれます。
そして甲子園に出てくる多くの選手が硬式のクラブチーム出身の選手なので、硬式のクラブチームに行けば「甲子園に出られる」と思っているみたいで大きな間違いです。
硬式のクラブチームへ入団すれば甲子園へ出れるのではなく、甲子園へ行く力ヲ持つ選手が硬式のクラブチームへ行くのです。
進学塾も同じで中学受験に高額する様な子が通う塾が進学塾であり、進学塾へ行っても中学受験に合格出来るというものではないのです。
しかし恐ろしい現実は、勘違いして入塾・入団してくる子供が運営費を支えているという事実があると言う事なのです。
たくさんあるクラブチームも、進学塾も力のある生徒さんや選手だけを抱えていたのでは運営出来ないのです。
だから私の言う勘違いを絶対塾側もクラブチーム側も明かさないのです。
当教室はずっと20年間同じ事を言っています。
教育は「自立」のためにあり、賢くなる事が勉強の唯一の攻略方だと言って良いと思います。
そのためには10歳までは伸び伸びと育て、最低限の「義務」を果たす事だけ教えていれば良いのです。
遊びの中で集中力や思考力が身に付くのです。
そして勉強に多くの大人が持つイメージが間違っているのです。
スポーツに勉強を例えると多くの大人が「マラソン」「山登り」と言った、忍耐と努力に加え長時間のイメージを持ちます。
だから勉強は我慢して、努力して文句も言わずゴールのないマラソンを走り続けなさいというイメージで子供を導きます・・・
私のイメージは「サーフィン」が一番近いと思います。
勉強は「波」を待つのです!絶対波が来るのです。
些細なきっかけで子供達は「勉強頑張ろう!」と思う日が必ず来ます。
その時にその「波」にスムーズに乗るだけの「基礎能力」を鍛えておくことが重要なのです。
波に乗れば簡単に出来る様になり、そのまま難なく進んでいきます。
多くの方が波も来ていない状態で進め進めと「パドリング」をさせすぎて、肝心の波が来たときにはもうスタミナ切れになっています。
その些細な波にスムーズに乗れる「基礎能力」を鍛えるのが、当教室の国語部門と国算パックなのです。
現在好きな事を好きなようにやる教育が良いと言われていますが、私もそれには大いに賛成です。
私は人間の仕事は4種類しか無いと考えています。
好きな事で大金を稼ぐ、好きな事をしているが金銭的には苦労する、好きでもない仕事だが大金を稼ぐ、好きでもない仕事で金銭的にも苦労する。
この4つしかないと思っています、そして一番良い生き方は好きな仕事で大金を稼ぐ人です、彼らには特別な才能と運が必要だと私は思っています。
この好きな事というのは私は報酬、つまりお金をもらえなくてもやりたい事という定義だと考えています。
それは私に取っては「麻雀」「TVゲーム」「映画鑑賞」「魚釣り」「サッカー」のどれかで大金を稼げれば最高だったと思いますが、もちろんそんな事は出来ませんでした。
世間では「プロ野球選手」や「ミュージシャン」「俳優」「芸術家」などがそれに当ると思いますが、好きでやっている事でお金を稼げれば素晴らしい人生だと思います。
次に金銭的に苦労したとしても「好きな事」を仕事に出来るのは良い人生だと思います。
次に好きな仕事ではないが金銭的には困らない人生も悪くないと思いますし、多くの人が目指す人生は残念ながらココだと私は考えています。
学生の時や20代・30代で自分がやりたい事を見つけられるというのはある意味「ラッキーな事」だと思いますし、恐らく好きな事を見つけられず40代・50代となり夢や好きな事を見つけることを諦めた人も多いのでは無いでしょうか?
私が生徒さんに言う「ディズニーランドの法則」というものがありますが、これはお金は稼ぐときに辛く、使う時に楽しいと言う事実を教える事であり、みんな夢を持てないとか、やりたい事が見つからないというのはこのお金の法則を知らないからだと思います。
そして一番良くない仕事が「好きでもない仕事でお金も稼げない」という仕事ですが、人口のほとんどが今こういう仕事に従事しています。
それは入れる学校へ進学し、就職出来る会社に就職し、出来る仕事をしている、言わば流されるままたどり着くから出る結果だと私は思っています。
私は生徒さんに受験時期に必ず言います、せめて好きでもない仕事だが効率的に稼ぎ、たくさんお金を使える仕事に就いた方が人生は楽しいよって言います。
しかし多くの大人が流されるまま学生時代を過ごし、気が付けば好きでもない仕事で稼げない仕事しか「選択肢がない」という状況になっている。
そしてやりたくない仕事だが効率的に稼げる仕事はほとんどが「学歴」や「偏差値」を必要とする事実に目を向けなくてはいけません。
そしてその中で異質な職業が「経営者」なのです。
経営者には誰でも成れるのです、そして経営者に学歴も偏差値も何も要らないのです。
私が今生業としている「塾経営」もいつでも誰でも明日から出来るのです、ただし稼げるかは「腕」次第でアイデアと努力を必要とします。
しかし、学力を必要とする仕事を私は「免許商売」と呼んでいますが、例えば「弁護士」「税理士」「建築士」などですが、これは免許を持たないと出来ない仕事なのである程度「競争」から守られています。
その事が大きいのです。
塾などは良い例で毎年「雨後の竹の子」のようにボコボコ出来て、バタバタつぶれます。
それは誰でも出来るからであり、誰でも出来る商売は必ず競争が激しいのです。
つまり、ある程度学生時代に努力をして免許で守られた競争の中で仕事をすると当然ですが「効率よく稼げる」という事になるのです。
しかしここで分って欲しい事は、全ての職業で「楽」なものは1つもなく、「楽しむ事」は出来ても「楽」は出来ないのです。
仕事というものにある程度の努力も忍耐も必要で、今回のワールドカップを見ても日本代表の選手達は好きな事を仕事にして大金を稼いでいますが「忍耐も努力も必要」だとみて分ったと思います。
好きな事を好きなように気の向くままやって生きて行ける人生など本当にあるのでしょうか?
私は無いと思います。
そして私はどんな生き方をするにしても「学力」は必要だと思っています。
もっと正確に言うなら「学力を得るためにする勉強」に意味があると思っています。
先ほど言いましたが「経営者」に学歴も偏差値も要りません。
そして堀江貴文さんは「ビジネス成功させるなら、賢い奴より馬鹿の方が確率は高い」と言い切っています。
何故なら、考えていない人は「失敗」を恐れず、その上失敗を忘れるので次々とビジネスを仕掛けます、そして10個もビジネスを立ち上げれば2~3個は成功しちゃうのがビジネスだと堀江さんは言っています。
このことも事実ですし、私は定時制高校に通っていましたが経営者になっている友人もいます、そして成功しています。
ならば学力は必要なのか?必要なのです。
どこに必要か?それはトラブルやイレギュラーが起きたときにその力が問われるのです。
簡単に言うと学力の高い人は高いレベルで「分析力」を持ち、再現能力がとても高いのです。
実は学歴がなく成功した経営者は日本にたくさん居ますが、問題は一度ダメになった時に立ち直れない、もしくは時間がかかり過ぎると言う特徴を持っています。
例えば生活倉庫という「リサイクルショップ」を成功させた堀内社長、「なんでんかんでん」という東京ではじめて本格とんこつラーメンの店を成功させた社長など多くの社長が一時期飛ぶ鳥を落とす勢いで会社を成長させ、売上を年々倍増しましたが今は・・・
ところが対照的なのは「高学歴」と言われる社長です。
一人は並行輸入を学生時代に始めた南原竜樹社長、株式上場寸前まで成長させた車販売の会社がレンジローバーという会社の倒産で一夜にしてなくなり無一文になりホームレスになりました。
しかし、すぐに人材派遣会社を立ち上げ、そのビジネスを売却し別会社を作りたった2年で以前の売上を取り戻しました。
南原竜樹社長は名古屋工業大学出身です。
もう一人は先ほど名前を出した堀江貴文社長です。
彼はIT革命の波にのり「ライブドア」と言う会社を20代で上場し、フジテレビや近鉄バッファローズの買収、自民党総裁の椅子は「40億円で買える」と言い選挙に出るなど時代の寵児でした。
しかし粉飾決算などの罪で逮捕、2年間刑務所へ入りました。
もちろん堀江社長はライブドアの経営時よりも売上を上げ、会社は多角事業を展開、今も多くの経営者が堀江社長から学んでいます。
問題は堀江社長は刑務所の中で年収一億円以上を稼いでいたと言う所なのです。
彼は面会に来た元社員に指示をして、刑務所から遠隔操作で「ブログ」を作り、その収益を得ていたというのです。
最後に私はネットワークビジネスという、俗に「マルチ商法」と誤解を受ける仕事をしていましたが、その中に稼いでいる「化け物」はたくさん居ましたが今稼ぎ続けている人はやはり「高学歴」の人が圧倒的に多いのです。
つまり、最初のビジネスを当てる、お金を稼ぐ、仕事で成功すると言う事に「学力」など必要無いと思います。
しかし、長く生きていると人生山あり谷ありです、2~3度は危機を迎え時には一からやり直しになります。
その時に勉強で鍛えた「分析力」と「再生能力」が効果を発揮し、すぐに立て直せると言う事実を見て欲しいのです。
私は戦後日本がもの凄い勢いで復興し、経済大国と呼ばれるまでに成長したのは、日本の教育と学力が関係していると考えています。
ジャパンクウォリティーの源は「末端労働者まで高いモラルと学力を持っている」という事だと思っていました。
今の好きな事を好きなようにやらせて、嫌がることはさせない、子供の意思を尊重すると言う教育は「自立した子」に限定するべきであり、忍耐も社会性もない子供が立派な大人になることはないと思っています。
もちろん例外はどこの社会にも居ますが、確率を無視出来ません。
仮に好きな事をやるにしても、我慢も努力も必要だと私は思いますし、最低限の我慢や努力が出来ない人間が社会で成功しても何かあれば「再現」が出来ないのです。
その典型が「ゆたぽん」という少年だと思います。
今も色々と活動している様ですが、以前の様な稼ぎも斬新さもインパクトもありません。
間違い無く一世を風靡した、時代の代表だったと思うのですが、今は見る影もありません。
別に彼が悪いと言っている訳ではありません、学校と勉強を全面否定したならちゃんと再生し本当に必要無いと証明して欲しいのです。
恐らく相当時間がかかると思います。
賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ。
まさにその通りで浅い経験から得られたノウハウは誰もが使えるものでは無く、そのノウハウを生み出した人間の結論も分りません。
しかし歴史を見れば時代を動かした人や日本を救った偉人達は間違い無く「勉強」をしています。
その事実から目をそらしてはいけません。
今は面白おかしく生きている「大人」もたくさん居ますが、それはほんの一瞬の話です。
YouTuberと言われる人達も次々と淘汰され始め、「分析」と「改善」を行う人が生き残るに決まっています。
皆さんにお願いです、デマ・広告・いい加減な情報に振り回されないで欲しい。
子供達に嘘や不確かな情報やデーターをあたかも「真実」のように伝えないで欲しい。
思考力も分析力もない大人が社会でどうしようもなくなっている所を私は散々見てきました。
私が居た金融の世界でも、一時的に大金をつかむ人は居ますが長く稼いでいる人は必ず「思考力」が多角「分析」をしています。
感性で生きている人は一度はまると抜け出せないと私は思います。
そして感性だけで生きている人を私は知っていますが「特殊能力」を持ち、そういう修行をちゃんとした人達です。
我々大人がちゃんと考え、正しい情報を伝えないと子供達は将来困ります。
大人の皆さんにお願いです、不確かなことをお願いだから子供達に押しつけないで。
我々の学生時代学校は一定のレベルを強制し、学校を休む事も宿題をしない事も許さなかった。
素行の悪い人間も常に疑われ、一方的な見方をされた。
その事が社会生活でどれほど役に立ったか、社会へ出て分る事が多かった。
学校生活で問題が無い生徒さんは社会へ出ても問題が無く、社会性・協調性・忍耐などを持ち合わせて高いモラルを持ち合わせていた。
そして日本ブランドを作り上げた「日本教育」は今崩壊している事にも気が付いていない・・・
何故?日本経済は世界一にまで成長したのかその理由をちゃんと説明出来ない人も多いと思う。
近代史をちゃんと勉強しないと今何故こうなっているのかなど分るはずがない。
日本経済が大きく成長したのは、米ソ冷戦が背景にあるが、詳しく話すと長くなるので、1つだけ確認していただきたいのはベツリンの壁崩壊と共に日本経済の崩壊も始まっている。
ここで大切なのは「戦争」と「経済」は連動しているし、戦争の背景には「誰かのお金儲けがある」という事なのです。
しかし、あくまでも戦争や政治情勢は経済変化の要因の1つであり、日本ブランドが確立された背景には「高い教育意識」と「高いモラルレベル」があったのです。
これは日本が行っていた教育の成果であり、その成果を具体的に言うと「末端労働者まで高い教育とモラル」を保っていたと言う事なのだ。
末端労働者というと聞こえは悪いのだが、現場で物作りをしている最前線の人が「思考力」を持ち、「高いモラル」を持っていたと言う事が脅威なのです。
だから工場の大規模生産を行っても、分りやすく言えば「歯車」が1つ1つ思考力を持ち、高いモラルで生産活動に参加していたので、事故・不良品が少なく、産地偽装や危険物の混入などを防げたのだ。
その製造工程の素晴らしさが「日本ブランド」を作り上げ、世界で信用を勝ち取ったのだ。
しかし、今は高いモラルを持っていても「正しい事」が分らなくなっているので、問題は「思考力」と「基礎学力」なのだ。
学校が個性や自由を尊重し初め「自由」を誤解した子供達がそのまま「ピーターパン状態」で社会に出て、仕事をすぐに辞めてしまう・・・これは当たり前の事だと思う。
基礎学力に関しても、本当に下がってきていると現場で指導していて実感している。
問題自体は次々と難しくなり、出来る子と出来ない子の差が広がっている現状にも恐らく多くの保護者が気付いていない。
これはコロナ騒動のずっと前から言われている事で、私が30歳になった20年前から「もう中国には勝てない」と多くの経営者が予言していた。
私はとても信じられなかったので何故ですか?と理由を聞いて納得した。
日本人は「労働意欲がない。そして未来に希望を持っていない。トドメに教育がおかしくなっている。中国に勝てる要素がない」と言っていた。
驚くことに当時利益を次々を出していた会社の経営者は口をそろえて同じ事を言っていた。
そしてトドメにコロナ騒動が勃発・・・学校や仕事を休むことも当たり前になり、ただでさえ遅れていたカリキュラムにさらなる打撃が加えられ学校授業は先生方も何をどうして良いのか?手探り状態で進めている。
しかし、このコロナ騒動で空いた「穴」は確実に生徒さんの学力を落とし、高校での勉強は苦しいものになるだろう。
ただでさえ、教科書大改訂でカリキュラムが増え、自由と個性とわがままを勘違いした教育を実践し忍耐も我慢も出来ない生徒が急増している・・・
遅れを取り戻す程の「ガッツ」も「スピード」も持ち合わせていない生徒さんが「独学」で出来るほど今の受験勉強は甘く無い。
もちろん、学校もコロナ騒動も数年すれば落ち着くが問題は今学校で学んでいる生徒さんは一体どうなるのか?
自己防衛しないと、本当に可哀想だと思う。
学歴社会が終わると言う話もあるが、私はもっとひどくなると思っている。
今は学歴コンプレックスを持つ大人に対して有効な学歴だが、今後は学歴というもの自体に価値を付ける時代が来るかも知れない。
今日本が進んでいる未来に似ているのは「中国」と「韓国」だ。
中国と韓国の2国の受験の凄まじさは皆さんも知っていると思いますが、恐ろしいのは2国とも少子高齢化が進んでいる国なので日本とほぼ同じ状況なのだ。
仮に日本経済に追い風が吹いても「労働力」と質が低下している以上、日本経済の復活は考えにくいと私は思う。
今私が言っているのは「日本経済と日本人全体」の話であり、個人としては自己防衛すればなんとかなると思う。
しかし、赤信号みんなで渡ればこわく無い、そんな感じで「何か今の教育はおかしい??」と感じながらも、周りも同じだからと油断していると感じています。
社会全体が間違った判断をした事は日本の歴史上、世界の歴史を見て無いのでしょうか?
日本は2682年の歴史を持つ国ですが、世界には「滅んでしまった国」の方が多くあり、その危機がないとは言えません。
問題は国や学校を信用しすぎないと言う事なのです。